ヘッドのパーツにはそれぞれ名称があります。またヘッドによってはパーツの形状が特殊なことによって使用感に大きな影響を及ぼす場合があります。
それぞれのパーツの名称と使用感に影響を与える例を説明していきます。
1. フレームの名称
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① Scoop
グラボをする際に地面に接する弧を描いているヘッドの上部をScoop(スクープ)と言います。一般的に厚みや段差がなく、なだらかなカーブを描いているとグラボがしやすいです。
例:ハボック、マーク2シリーズ等
② Flare or Pinch
ヘッドの最も広い部分をFlare(フレア)もしくはPinch(ピンチ)と言います。広いほどキャッチがしやすいですが、その分細いチャンネルを作るのが難しくなるため、プレースタイルに合った幅のヘッドをチョイスするのがおススメです。
③ Throat
ヘッドの最も狭い部分から付け根の部分までをThroat(スロート)と言います。スロートの幅はフレアの幅に比例する傾向にあります。スロートの幅が狭いほど細いチャンネルが作りやすく、チャンネルが細いとリリースに安定感が生まれ、パスの伸びやショットのスピード向上に寄与しやすいです。
例:レイビル2X、ミラージュ2.0等
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④ Side Rail
ヘッドの表側(上記画像では左側)と裏側 (上記画像では右側) 、両側の枠をSide Rail(サイドレール)と言います。裏側のサイドレールのカーブが急なヘッドは編み方にもよりますが、シンプルに編んでもかかりやすい傾向にあります。
例:ウルトラ・パワー、ハイパー・パワー、バサロ・ゼロ等
⑤ Struts
サイドレールを支える部分をStruts(ストラット)と言います。直訳すると柱であり、文字通り柱の機能を果たしています。ストラットの本数が多いほどヘッドが丈夫になる傾向にあります。
例:タンク2.0、レギュレーターMAX等
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⑥ Offset
ヘッドを横から見た時の表面のラインのことをOffset(オフセット)と言います。真っ直ぐな方が深いポケットを作りやすく、リリースも安定しやすいです。
⑦ Sidewall
ヘッドを横から見た時の面全体をSidewall(サイドウォール)と言います。直訳すると横の壁であり、Stick Trick(クロスを使ったボール遊び)をする際にはサイドウォールにボールが乗るヘッドかどうかは重要な要素になってきます。(プレーには関係ありません。)
2. ホールの名称
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① Top Holes
ヘッド上部にある穴をTop Holes(トップホール)と言います。古いヘッドだと4つのものもありますが、基本的には6個あるヘッドが一般的です。またトップホール6個以上あるヘッドもたまにありますが、編む上では最低でも4つあれば支障はないかと思います。
② Channnel Lock
ヘッド上部の真ん中に位置する穴をChannel Lock(チャンネルロック)と言います。STXのヘッドに多く、使用するとチャンネルを若干きれいに編むことができます。(若干なので、使用しなくても大差はない認識です。)
例:スタリオン900/オメガ、ハイパー・パワー、サージャン700/900等
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③ Sidewall Hole
サイドウォール(レール)に空いている穴のことをSidewall Hole(サイドホール)と言います。昔のヘッドは技術的な問題で近い間隔でサイドホールを空けることができず、サイドホール数が少なかったですが、最近のヘッドは17個以上のヘッドが多いです。サイドホールは多ければ多いほど編み方のバリエーションが増えますが、個人的には大きすぎないサイドホールが適度な間隔で配置されていることが重要だと考えています。
(バサロ・ゼロくらいの大きさと間隔が個人的には理想的)
④ Strut Hole
Strut上にある穴をStrut Hole(ストラットホール)と言います。ストラットホールを使用して編むことで、縦キープの良いヘッドを編むことができますが、上手く使って編むのは難易度が高いです。また過去に発売されたヘッドで、ストラットホールがあるヘッドは 私の知る限りサージャン700しかないです。
(広義のSidewall Holeに含まれる概念ではあります。)